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総合型選抜2026-04-2620分で読める

総合型選抜と一般入試は両立できる|高2から始める受験戦略と共通テスト併用型の活用法

P

ProofPath編集部

総合型選抜の対策情報を発信。AI添削・活動ログ・第三者検証サービスを運営。

この記事の内容

  • なぜ「両方やる」が最適解なのか
  • 総合型選抜は「追加のチャンス」である
  • 確率論で考える
  • 総合型の準備は一般入試にも直結する
  • 総合型選抜は思っているほど時間がかからない
  • 暗記科目がない
  • ただし甘くはない
  • 高2スタートの優位性
  • 高2から始める具体的タイムライン
  • ポイント解説
  • 英検取得の逆算スケジュール
  • フィールドワークの始め方
  • 共通テスト併用型という「裏技」
  • 共通テスト併用型とは何か
  • ボーダーが5〜15ポイント低い傾向
  • 共通テスト併用型を実施する主な国公立大学
  • 大学別・英検要件一覧
  • 早慶上智
  • GMARCH
  • 関関同立
  • 産近甲龍の一部
  • 穴場の見つけ方と低倍率の大学・学部
  • 倍率が低い理由の3パターン
  • 低倍率の大学・学部一覧
  • 知っておくべき特殊枠
  • 3層構造の併願設計
  • 具体的な組み方の例
  • 保護者がやるべきサポート
  • 1. 費用の見積もりと準備
  • 2. 締切管理
  • 3. 不合格時のセーフティネット設計
  • 4. 禁句を避ける
  • よくある質問
  • まとめ -- 「選ぶ」のではなく「組み合わせる」

「総合型選抜と一般入試、どちらを選ぶべきか」。受験生からも保護者からも、この質問を繰り返し受ける。

この問いの立て方自体が間違っている。答えは「両方やる」である。

筆者は総合型選抜専門の講師として150名以上を指導してきた。自身も一般入試と総合型選抜の両方を受験した経験者である。その経験から断言する。総合型選抜を受験戦略に組み込まない受験生は、自ら合格可能性を下げている。

「総合型選抜は時間がかかりすぎる」「一般入試の勉強がおろそかになる」。そう思い込んでいる受験生は多い。しかし実態は異なる。高2から計画的に動けば、総合型選抜と一般入試は十分に両立できる。さらに、共通テスト併用型という方式を活用すれば、一般入試の勉強がそのまま総合型選抜の武器になる。

この記事では、タイムライン・英検戦略・共通テスト併用型のデータ・大学別要件まで網羅した。スケジュールの全体像は総合型選抜はいつから準備する?も合わせて読んでほしい。


なぜ「両方やる」が最適解なのか

総合型選抜は「追加のチャンス」である

最初に認識を正しておきたい。総合型選抜は「一般入試の代替」ではない。追加のチャンスである。

一般入試しか受けない受験生は、合格のチャンスが「一般入試の日程」に限られる。一方、総合型選抜も併用する受験生は、9〜11月に1回以上の合格チャンスを追加で持てる。仮に総合型で不合格になっても、12月以降に一般入試で再挑戦できる。選択肢が増えるだけで、失うものは何もない。

確率論で考える

受験を確率の問題として考えてみる。

ある受験生の一般入試での合格確率が40%だとする。この受験生が総合型選抜にも出願し、合格確率が20%だったとする。「少なくともどちらか1つに合格する確率」はこうなる。

合格確率の期待値

- 一般入試のみ: 合格確率 40%
- 一般入試 + 総合型選抜: 1 - (0.6 x 0.8) = 1 - 0.48 = 52%

受験回数を1つ増やすだけで、合格確率が40%から52%に上がる。総合型選抜の合格率がたとえ20%でも、受けないよりは確実に有利になる。

総合型の準備は一般入試にも直結する

「総合型選抜の準備は一般入試の邪魔になる」という思い込みも根強い。しかし実態を見ると、両者の準備には大きな重なりがある。

○両立できる要素: 英検の学習は一般入試の英語力に直結する。小論文の練習は現代文の読解力・記述力を鍛える。志望理由書で大学を深くリサーチすることで、面接だけでなく志望校への理解が深まり、モチベーションが維持される。
×「余計な勉強」という誤解: 英検対策は単語力・文法力・リスニング力のすべてを鍛える。これは共通テストや私大入試の英語対策そのものだ。総合型のために「別の勉強をしている」わけではない。

つまり、総合型選抜の準備と一般入試の勉強は対立関係にない。正しくスケジュールを組めば、相互に強化し合う関係になる。


総合型選抜は思っているほど時間がかからない

暗記科目がない

一般入試の受験勉強は、教科書の内容を暗記し、問題集を繰り返し解く作業が中心である。1日何時間も机に向かう必要がある。

一方、総合型選抜の準備は性質が異なる。志望理由書は「考える」作業であり、面接対策は「話す」練習である。長時間机に座り続ける必要はなく、通学時間や休憩時間にも準備を進められる。

ただし甘くはない

「時間がかからない」は「楽」という意味ではない。総合型選抜には総合型選抜なりの難しさがある。

  • 知識インプット: 志望する学問分野の基礎知識、社会課題への理解が必要
  • フィールドワーク: 実際に現場を見る、人に話を聞くなどの行動が求められる場合がある
  • 思考力: 「なぜその大学で学びたいのか」を論理的に言語化する力が問われる

どれも一朝一夕では身につかない。だから高2からの仕込みがものを言う。

高2スタートの優位性

高3の9月に出願が始まってから「総合型選抜もやってみようかな」では遅い。志望理由書を書くためのネタ(体験・知識・考え)が蓄積されていないからである。

しかし高2の冬から動き始めれば、半年以上の準備期間を確保できる。この期間があれば、一般入試の勉強を軸に据えつつ、総合型選抜の準備を「週に数時間」ずつ積み上げることが可能になる。総合型選抜の準備スケジュールで全体像を確認しておくと、計画が立てやすい。


高2から始める具体的タイムライン

以下に、高2冬から高3の入試本番までの月別行動計画を示す。右の「総合型:一般」は、その時期の学習時間配分の目安である。

月別行動計画と学習時間配分

| 時期 | やるべきこと | 総合型:一般 |
|------|------------|-----------|
| 高2冬(1〜3月) | 英検2級の取得 / 関心テーマの探索開始 / 大学の総合型選抜要項を読む | 2:8 |
| 高3春(4〜5月) | 志望校の確定 / 志望理由書の素材集め(体験の棚卸し) / 一般入試の基礎固め継続 | 3:7 |
| 高3夏前(6〜7月) | オープンキャンパス参加 / 志望理由書の初稿作成 / 英検準1級の受験 | 4:6 |
| 高3 8月 | 志望理由書の完成 / 面接対策の開始 / 一般入試の演習と並行 | 5:5 |
| 高3 9月 | 出願書類の提出 / 面接・小論文の最終仕上げ | 6:4 |
| 高3 10〜11月 | 選考本番(面接・小論文・プレゼン) / 一般の勉強は最低限維持 | 7:3(直前のみ) |
| 高3 12月〜 | 総合型の結果に関わらず、一般入試に全力投球 | 0:10 |

ポイント解説

高2冬が最も重要な時期である。 この段階で英検2級を取得できていれば、高3は準1級の挑戦と志望理由書の準備に集中できる。英検2級は高校卒業レベルの英語力があれば十分に取得可能なので、遅くとも高2の3月までに合格しておきたい。

8月に志望理由書を完成させる理由は、9月の出願に間に合わせるためだけではない。8月中に書類を仕上げることで、10〜11月の選考期間以外は一般入試の勉強に集中できる体制をつくるためである。

12月以降は一般入試に完全シフトする。総合型で合格していれば受験終了。不合格でも、ここまでの英検対策や小論文の練習が一般入試の得点力として還元される。志望理由書800字の書き方と例文で構成テンプレートを確認しておけば、初稿の作成がスムーズに進む。

英検取得の逆算スケジュール

英検は年3回(6月・10月・1月)実施される。以下が最も無理のないスケジュールである。

1高2の1月: 英検2級を受験(高2冬の目標)
▼
2高2の3月: 不合格の場合、次回(高3の6月)で再挑戦する計画を立てる
▼
3高3の6月: 英検準1級を受験(第1回)
▼
4高3の10月: 準1級に不合格だった場合の再挑戦(ただし出願に間に合わない大学もある)

英検2級は高2のうちに確実に取得すること。 高3で2級を取るスケジュールだと、準1級への挑戦が後ろ倒しになり、出願条件を満たせないリスクが高まる。

フィールドワークの始め方

志望理由書に説得力を持たせるには、「実際に自分で動いた経験」が欠かせない。ただし、大規模なプロジェクトは必要ない。

  • 高2の夏休み: 関心のある分野のイベント・講演会に1〜2回参加する
  • 高2の秋〜冬: 関連する本を3〜5冊読み、ノートにまとめる
  • 高3の春: オープンキャンパスで教授に質問する。ゼミや研究室の見学があれば参加する

これだけで十分なフィールドワークになる。重要なのは「何を体験したか」ではなく、「体験から何を考えたか」を言語化できることである。小論文800字の書き方で鍛えた論理的記述力は、志望理由書の作成にもそのまま活きる。


共通テスト併用型という「裏技」

共通テスト併用型とは何か

国公立大学の総合型選抜には、共通テスト併用型と呼ばれる方式がある。これは、志望理由書・面接などの総合型選抜の評価に加え、大学入学共通テストの得点も合否判定に使う方式である。

「共通テスト+書類+面接」の総合評価になるため、一般入試の勉強をしている受験生にとって相性が良い。

ボーダーが5〜15ポイント低い傾向

共通テスト併用型の最大のメリットは、一般入試(前期日程)と比較して、合格に必要な共通テストの得点率が低い傾向にあることだ。

共通テスト併用型のボーダー比較(予備校推定値)

| 大学 | 方式名 | 一般前期のボーダー目安 | 総合型(共テ併用)の合格実績 | 差 |
|------|--------|---------------------|--------------------------|-----|
| 東北大学 | AO入試 III期 | 75〜80% | 70%前半で合格例あり | 約5〜10pt低い |
| 広島大学 | 光り輝き入試 II型 | 65〜75% | 60%台で合格実績あり | 約5〜10pt低い |
| 筑波大学 | AC入試 | 70〜80% | 60%台後半で合格例あり | 約5〜15pt低い |
| 北海道大学 | フロンティア入試 TypeII | 75〜80% | 共テ+面接で総合判定 | 書類評価で補える |
| 神戸大学 | 志特別選抜 | -- | 共テ不要の方式もあり | -- |

注意: 上記のボーダー数値は予備校の推定値であり、大学が公式に公開しているものではない。合格最低点は多くの大学で非公開である。 あくまで傾向として参考にしてほしい。最新の正確な情報は各大学の公式サイトで確認してください。

この表が意味することは明確だ。一般入試の勉強をしている受験生が、総合型選抜の書類(志望理由書・活動報告書)を用意しておけば、共通テスト併用型に「乗れる」。 そして、一般前期よりも低い得点率で合格できる可能性がある。

共通テスト併用型を実施する主な国公立大学

共通テスト併用型を実施する主な国公立大学

| 大学名 | 方式名 | 特徴 |
|--------|--------|------|
| 東北大学 | AO入試 III期 | 共テ+書類+面接。理系学部を中心に実施。共テ比率が高い |
| 北海道大学 | フロンティア入試 TypeII | 共テ+面接。書類審査で1次選考を通過した者が対象 |
| 筑波大学 | AC入試 | 共テ+面接+書類。全学類で実施。特に文系学類で活用の幅が広い |
| 広島大学 | 光り輝き入試 II型 | 共テ+面接+書類。教育学部や総合科学部など幅広い学部で実施 |
| 神戸大学 | 志特別選抜 | 学部により共テ必要/不要が異なる。事前に募集要項を確認すること |

「一般入試の勉強をしている+総合型の書類がある=共通テスト併用型に乗れる」。 この構図を理解しているかどうかで、受験戦略の幅が大きく変わる。


大学別・英検要件一覧

総合型選抜では、出願要件として英検のスコアを求める大学が多い。以下に、大学グループ別の英検要件を整理する。

※ 以下は2025年度時点の情報である。最新の要件は必ず各大学の募集要項で確認すること。

早慶上智

早慶上智の英検要件

| 大学・学部 | 英検要件 | 備考 |
|-----------|---------|------|
| 早稲田大学 国際教養学部 | 準1級以上 | 国内選考・国外選考ともに高い英語力を要求 |
| 早稲田大学 政治経済学部 | 準1級以上 | グローバル入試。TOEFL等でも代替可 |
| 早稲田大学 社会科学部 | 指定なし | 全国自己推薦入試。英検の要件はないが英語力は面接で問われる |
| 慶應義塾大学 SFC(総合政策・環境情報) | 指定なし | AO入試。英検の要件はないが、活動実績と志望理由書の質で勝負 |
| 慶應義塾大学 FIT入試(法学部) | 指定なし | A方式・B方式ともに英検要件なし。論述力と面接が重要 |
| 上智大学 公募推薦 | 2級以上 | 学部によりCEFR B1以上が目安。英検2級相当 |

GMARCH

GMARCHの英検要件

| 大学・学部 | 英検要件 | 備考 |
|-----------|---------|------|
| 青山学院大学 国際政治経済学部 | 準1級以上 | 自己推薦入試。高い英語力を重視 |
| 立教大学(複数学部) | 2級以上 | 自由選抜入試。学部により要件が異なる |
| 中央大学 国際経営学部 | 2級以上 | 英語運用能力特別入試 |
| 法政大学 GIS(グローバル教養学部) | 準1級以上 | 自己推薦入試。英語面接あり |
| 法政大学 現代福祉学部 | 2級以上 | 自己推薦入試 |
| 法政大学 人間環境学部 | 2級以上 | 自己推薦入試 |

関関同立

関関同立の英検要件

| 大学・学部 | 英検要件 | 備考 |
|-----------|---------|------|
| 同志社大学 グローバル・コミュニケーション学部 | 準1級以上 | 推薦選抜入試。英語面接あり |
| 関西学院大学(ほぼ全学部) | 2級以上 | 探究評価型入試。学部による差は小さい |
| 関西大学 外国語学部 | 2級以上 | AO入試。英語力のアピールが求められる |
| 立命館大学 文学部(国際文化学域) | 2級以上が望ましい | 明確な要件ではないが、書類で英語力の証明があると有利 |

産近甲龍の一部

産近甲龍の英検要件

| 大学・学部 | 英検要件 | 備考 |
|-----------|---------|------|
| 一部の学部・方式 | 準2級以上 | 大学・学部により異なる。募集要項で確認が必要 |

英検2級を取得していれば、出願可能な大学が大幅に広がる。 準1級があればさらに選択肢が増えるが、2級でも関関同立・GMARCH・上智の一部に出願できる。これが、高2冬に英検2級を取るべき理由である。


穴場の見つけ方と低倍率の大学・学部

倍率が低い理由の3パターン

総合型選抜には、倍率が極端に低い大学・学部が存在する。倍率が低い理由は主に3つである。

  • 特殊条件がある: 特定の資格、宗教的背景、地域要件などが出願条件に含まれる
  • 新設または知名度が低い: 新しい入試方式で、受験生に情報が届いていない
  • 学部のイメージと実態のギャップ: 「神学部」「福祉学部」など、名前だけで敬遠される学部がある

重要なのは、「穴場=簡単に受かる」ではないということだ。倍率が低くても、書類の質や面接の完成度は当然求められる。ただし、倍率10倍の学部と倍率1.5倍の学部では、準備の方向性や精神的な負担が大きく異なる。

低倍率の大学・学部一覧

以下のデータは2023〜2025年度の傾向に基づく。年度により変動するため、最新の正確な情報は各大学の公式サイトで確認してください。

低倍率の大学・学部一覧(2023〜2025年度の傾向)

| 大学・学部 | 倍率の目安 | 備考 |
|-----------|----------|------|
| 関西学院大学 神学部 | 1.0〜2.0倍 | キリスト教への関心が問われるが、信者である必要はない |
| 関西学院大学 文学部・教育学部(探究評価型) | 1.0倍の学科あり | 探究活動の成果が評価の中心 |
| 関西大学 商学部 | 約1.7倍 | 商学への関心とビジネスの視点が必要 |
| 立命館大学 文学部(国際文化学域) | 約1.4倍 | 国際文化への関心。留学経験があると有利 |
| 法政大学 現代福祉学部 | 1.5〜2.0倍 | 福祉への関心が求められるが、活動実績のハードルは比較的低い |
| 法政大学 人間環境学部 | 1.5〜2.5倍 | 環境問題やサステナビリティへの関心 |

知っておくべき特殊枠

通常の総合型選抜とは異なる「特殊枠」も存在する。情報を持っている受験生だけが使える選択肢である。

  • 上智大学カトリック高等学校特別入試: カトリック系高校の在校生が対象。一般の総合型選抜とは別枠
  • 関西学院大学明石塾枠: 特定のプログラム参加者が対象。募集要項に詳細あり
  • 法政大学英検準1級枠: 英検準1級以上の取得者を対象とした特別選考がある学部あり

これらの特殊枠は、該当する条件を満たせば有力な選択肢になる。総合型選抜は併願できる?で併願ルールを確認した上で、戦略的に組み合わせてほしい。


3層構造の併願設計

総合型選抜と一般入試を両立させる場合、併願校を「3層構造」で設計すると、リスクを最小化しつつ合格可能性を最大化できる。

3層構造の併願設計

| 層 | 役割 | 出願数の目安 | 考え方 |
|----|------|------------|--------|
| 第1層: 本命 | 全力投球する大学 | 1〜2校 | 総合型選抜で勝負。志望理由書・面接の完成度を最大限に高める |
| 第2層: 保険 | 低倍率の穴場 | 1〜2校 | 第1層が不合格だった場合のセーフティネット。倍率1.0〜2.0倍の学部を狙う |
| 第3層: セーフティネット | 一般入試 | 2〜4校 | 総合型選抜がすべて不合格でも、ここで確実に合格を取る |

具体的な組み方の例

関西在住の場合(関西版)

1第1層(本命): 関西学院大学 商学部 総合型選抜 -- 探究活動の成果を書類と面接でアピール
▼
2第2層(保険): 関西学院大学 文学部 探究評価型(倍率1.0倍の学科あり) -- 第1層と書類を共通化できる部分が多い
▼
3第3層(一般入試): 関西大学・近畿大学・甲南大学の一般入試 -- 共通テスト利用方式も含めて複数出願

関東在住の場合(関東版)

1第1層(本命): 法政大学 人間環境学部 自己推薦入試 -- 環境問題をテーマにした志望理由書で勝負
▼
2第2層(保険): 法政大学 現代福祉学部 自己推薦入試(倍率1.5〜2.0倍) -- テーマの関連性を活かして書類を転用
▼
3第3層(一般入試): 法政大学・東洋大学・専修大学の一般入試 -- 共通テスト利用方式も含めて複数出願

第1層と第2層の書類は、テーマの方向性が近い大学を選ぶことで、志望理由書の作成負担を軽減できる。ただし、各大学のアドミッションポリシーに合わせたカスタマイズは必須である。同じ文章をコピーして出すのは論外だ。併願戦略の詳細は総合型選抜の併願ルールで解説している。


保護者がやるべきサポート

総合型選抜と一般入試の両立は、受験生本人だけでなく、保護者のサポートも重要である。ここでは、保護者が具体的にやるべき4つのことを整理する。

1. 費用の見積もりと準備

総合型選抜にかかる費用の目安

| 項目 | 金額 | 備考 |
|------|------|------|
| 受験料(1校あたり) | 30,000〜35,000円 | 私立大学の場合。国公立大学は17,000円前後 |
| 英検受験料 | 8,400〜11,800円 | 級による。2級は8,400円、準1級は9,800円(2025年度) |
| 交通費・宿泊費 | 10,000〜50,000円 | 遠方の大学を受験する場合。オープンキャンパス参加時も発生 |
| 総合型選抜対策の書籍代 | 5,000〜10,000円 | 志望分野の関連書籍3〜5冊 |

合計: 総合型選抜2〜3校 + 一般入試3〜4校で、受験料だけで20〜25万円程度が目安。早めに予算を確保しておくこと。

費用の詳細は総合型選抜の費用まとめで一覧にしている。

2. 締切管理

総合型選抜は大学ごとに出願締切・エントリー締切・書類提出期限がバラバラである。一般入試の出願締切も合わせると、管理すべき日程は膨大になる。

保護者にやってほしいのは、全大学の出願締切をGoogleカレンダーやスプレッドシートに一覧化すること。受験生本人は書類作成と勉強に集中させ、事務的な管理は保護者が担当するのが理想的な分業である。

3. 不合格時のセーフティネット設計

総合型選抜は不合格になる可能性が当然ある。不合格だった場合に、すぐに一般入試に切り替えられる準備を保護者側でも進めておくこと。

  • 一般入試の出願書類を事前に揃えておく
  • 不合格の場合のスケジュール(いつから一般に全振りするか)を親子で共有しておく
  • 精神的なフォロー体制を考えておく(後述の「禁句」を避ける)

4. 禁句を避ける

○言うべきこと: 「総合型で経験したことは一般入試でも活きるから、切り替えて頑張ろう」「ここまでの準備は無駄じゃない」
×禁句: 「ほら、一般に絞ればよかったのに」「だから最初から無理だって言ったでしょ」

総合型選抜が不合格だった場合、受験生は大きなダメージを受ける。そのときに「一般に絞ればよかったのに」と言われると、12月以降の一般入試対策へのモチベーションが壊滅する。保護者の一言が、残りの受験期間の成否を左右する。


よくある質問

総合型選抜と一般入試、どっちが受かりやすい?
一概には言えない。総合型選抜は「偏差値では測れない力」で評価されるため、学力が志望校の偏差値に届いていない受験生でも合格の可能性がある。一方、一般入試は実力が得点に直結するため、模試の判定が高い受験生にとっては計算しやすい。重要なのは「どちらが受かりやすいか」ではなく、**「両方受けることで合格確率を最大化する」**という発想である。
高3からでも両立は間に合う?
高3の4〜5月からであれば、間に合う可能性はある。ただし、英検2級を未取得の場合は出願できる大学が限られる。また、志望理由書のネタとなる活動実績や知識のインプットが不足しがちである。高2スタートと比べて選択肢は狭まる。だが「間に合わないから諦める」のは誤りだ。**出願先を絞り、効率的に準備する**のが正解である。[総合型選抜の完全ガイド](/blog/sougou-senbatsu-kanzen-guide)で全体像を把握した上で、出願可能な大学をリストアップしてほしい。
英検2級はいつまでに取るべき?
**理想は高2の1月(第3回検定)。遅くとも高3の6月(第1回検定)まで。** 総合型選抜の出願は9月に始まるため、出願時に英検のスコアが必要な大学に出すなら、高3の6月がラストチャンスになる。10月の第2回検定の結果は、多くの大学で9月の出願に間に合わない。なお、英検S-CBTであれば毎月受験可能なので、従来型で不合格だった場合の保険として活用できる。
共通テスト併用型と一般入試、どっちが有利?
両者は「どちらを受けるか」ではなく「両方受ける」ものである。共通テスト併用型は、一般前期よりもボーダーが5〜15ポイント低い傾向がある(予備校推定値)。一般入試の勉強をしている受験生にとって、共通テスト併用型は「追加の合格チャンス」になる。ただし、共通テスト併用型は書類審査や面接も課されるため、共通テストの得点だけで合格が決まるわけではない。書類の準備ができている受験生にとって最も有利な方式である。
総合型選抜で専願の大学に出願したら、他の大学は受けられない?
専願の大学に出願した場合でも、**一般入試は受けられる**。「専願」とは、総合型選抜や推薦入試の枠内での制約であり、「一般入試を受けてはいけない」という意味ではない。ただし「合格した場合は必ず入学すること」が専願の条件だ。合格後に一般入試で別の大学へ進むことは認められない。つまり、専願の総合型選抜+一般入試の「保険」は、**専願校が不合格だった場合のみ一般入試に進む**という設計になる。専願・併願のルールの詳細は[総合型選抜の併願ルール](/blog/heigan-rule-sougou-senbatsu)で確認してほしい。

まとめ -- 「選ぶ」のではなく「組み合わせる」

この記事で伝えたかったことは、一つだけだ。

総合型選抜と一般入試は「どちらを選ぶか」ではなく、「どう組み合わせるか」を考えるべきである。

高2から計画的に動けば、一般入試の勉強を軸に据えつつ、総合型選抜の準備を無理なく並行できる。英検の取得は共通テストの英語対策に直結し、小論文の練習は現代文の力を底上げする。共通テスト併用型を活用すれば、一般入試の勉強がそのまま総合型選抜の得点力になる。

受験は才能の勝負ではない。情報と設計の勝負である。

ここまでの情報を踏まえて戦略を組む受験生と、「総合型は時間がかかる」と思い込んで一般だけで勝負する受験生。どちらが有利かは明らかだ。

リサーチした人だけが、最適な受験設計にたどり着ける。この記事をここまで読んだあなたは、すでにその一歩を踏み出している。

この記事の要点

- 総合型選抜と一般入試は対立しない。「両方やる」が最適解
- 高2冬から動き始めれば、両立は十分に可能
- 英検2級は高2のうちに取得。準1級は高3の6月が目標
- 共通テスト併用型は、一般前期比で5〜15ポイント低いボーダーで合格の可能性がある(予備校推定値)
- 3層構造(本命・保険・セーフティネット)で併願を設計する
- 保護者は締切管理と精神的サポートに注力する

次のステップとして、以下の記事を読むことをおすすめする。

  • 総合型選抜はいつから準備する? -- 学年別の準備スケジュール
  • 総合型選抜 完全ガイド -- 総合型選抜の全体像
  • 志望理由書800字の例文 -- 志望理由書の書き方
  • 総合型選抜は併願できる? -- 併願ルールの詳細
  • 小論文800字の書き方 -- 小論文対策の基本
P

ProofPath編集部

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記事の目次

  • なぜ「両方やる」が最適解なのか
  • 総合型選抜は「追加のチャンス」である
  • 確率論で考える
  • 総合型の準備は一般入試にも直結する
  • 総合型選抜は思っているほど時間がかからない
  • 暗記科目がない
  • ただし甘くはない
  • 高2スタートの優位性
  • 高2から始める具体的タイムライン
  • ポイント解説
  • 英検取得の逆算スケジュール
  • フィールドワークの始め方
  • 共通テスト併用型という「裏技」
  • 共通テスト併用型とは何か
  • ボーダーが5〜15ポイント低い傾向
  • 共通テスト併用型を実施する主な国公立大学
  • 大学別・英検要件一覧
  • 早慶上智
  • GMARCH
  • 関関同立
  • 産近甲龍の一部
  • 穴場の見つけ方と低倍率の大学・学部
  • 倍率が低い理由の3パターン
  • 低倍率の大学・学部一覧
  • 知っておくべき特殊枠
  • 3層構造の併願設計
  • 具体的な組み方の例
  • 保護者がやるべきサポート
  • 1. 費用の見積もりと準備
  • 2. 締切管理
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志望理由書の書き方と800字の例文6選|学部別構成テンプレート付き

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小論文

小論文800字の書き方|4段落構成テンプレートと完成例3本

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